アガベマイト(Agave mite)は、エリオフィドダニ(Eriophyidae)科に属する微小害虫で、アガベの葉組織に寄生し、栄養を吸収することで葉の変形や白斑を引き起こします。
この害虫を駆除するために、「ベニカXファインスプレー」が有効かどうかを化学的な観点から定量的に分析します。

アガベマイトにやられると目に見えて成長点が小さく、葉の展開も遅くなります。本当に嫌です。。
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目次
ベニカXファインスプレーの有効成分と作用機構
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有効成分
ベニカXファインスプレーには、以下の成分が含まれています:
| 成分 | 濃度(%) | 作用機構 | 対象害虫 |
|---|---|---|---|
| フェンプロパトリン(Fenpropathrin) | 0.2% | 神経系(ナトリウムチャネル)に作用 | アブラムシ、ハダニなど |
| クロチアニジン(Clothianidin) | 0.08% | ニコチン性アセチルコリン受容体に作用 | カイガラムシ、アブラムシなど |
| ミクロブタニル(Myclobutanil) | 0.1% | 細胞膜の合成阻害(殺菌剤) | うどんこ病、黒星病などの病害菌 |
作用機構の詳細
- フェンプロパトリン(合成ピレスロイド系)
- ナトリウムチャネルの持続的活性化により、害虫の神経伝達を阻害し、麻痺・死亡を引き起こす。
- 主に接触毒と食毒によって作用し、ハダニには効果があるが、エリオフィドダニ(アガベマイト)のような極微小なダニには効果が限定的。
- クロチアニジン(ネオニコチノイド系)
- ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経信号を過剰に活性化させて害虫を死滅させる。
- しかし、エリオフィドダニは植物内部に寄生し、組織内から養分を吸収するため、接触毒や食毒の影響を受けにくい。
結論:アガベマイトは葉の内部に寄生するため、ベニカXファインスプレーの接触・食毒作用では駆除が難しい。
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アガベマイトに有効な薬剤と化学的根拠


アガベマイトを駆除するためには、植物内部に浸透し、ダニに作用する薬剤(浸透移行性のあるダニ駆除剤)が必要です。
以下の有効成分が効果的とされています。
| 有効成分 | 作用機構 | 効果的な害虫 | 代表的な製品 |
|---|---|---|---|
| フェンピロキシメート(Fenpyroximate) | ミトコンドリアの電子伝達を阻害しエネルギー産生を停止 | ハダニ、エリオフィドダニ | ダニ太郎 |
| アブメクチン(Abamectin) | GABA受容体に作用し神経伝達を阻害 | ハダニ、アガベマイト | マイトコーネ |
| スピロメシフェン(Spiromesifen) | 脂肪酸生合成阻害により脱皮・成長を妨げる | ハダニ、エリオフィドダニ | モベント |
有効性の比較
- フェンピロキシメート(ダニ太郎)
- 呼吸鎖の電子伝達系(複合体I)を阻害することで、ATP合成を阻害し、害虫を死滅させる。
- アガベマイトに対する効果が確認されており、特に発生初期に使用すると効果的。
- アブメクチン(マイトコーネ)
- GABA作動性クロライドチャネルを活性化し、害虫の麻痺・死滅を引き起こす。
- 浸透移行性が高く、植物組織内の害虫にも作用するため、アガベマイト駆除に適している。
- スピロメシフェン(モベント)
- 脂肪酸生合成を阻害するため、ダニの成長を阻害し、徐々に死滅させる。
- 即効性は低いが、持続性が高い。
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結論:アガベマイト駆除には、フェンピロキシメート(ダニ太郎)やアブメクチン(マイトコーネ)が有効である。
ベニカXファインスプレーが効果的でない理由


アガベマイトの体長は 0.1~0.2mm と非常に小さく、植物表面ではなく内部の組織に寄生します。
これに対し、ベニカXファインスプレーの有効成分の浸透性は以下のように分類されます。
| 成分 | 浸透性 | アガベマイトへの影響 |
|---|---|---|
| フェンプロパトリン | 低い | 接触毒のため効果なし |
| クロチアニジン | 中程度 | 食毒のため効果が限定的 |
| ミクロブタニル | 高い | 殺菌剤のため効果なし |
葉内部に寄生するアガベマイトには、浸透移行性の高い薬剤が必要であり、ベニカXファインスプレーでは不十分。
結論と推奨駆除方法


結論
- ベニカXファインスプレーはアガベマイトには効果が期待できない
- 主成分が接触毒・食毒中心であり、葉内部に寄生するアガベマイトには届かない。
- 有効な薬剤は「ダニ太郎(フェンピロキシメート)」や「マイトコーネ(アブメクチン)」
- 浸透移行性があり、アガベマイトを確実に駆除できる。
- 予防策としては、風通しの良い環境と定期的なダニ駆除剤の使用が重要
推奨駆除方法
「ダニ太郎」または「マイトコーネ」を2週間ごとに2~3回散布
新しいアガベを導入する際は薬剤処理を行う(持ち込みを防ぐ)
葉の表面を定期的に洗浄し、風通しを良くする(ダニの発生を抑制)
科学的な視点からも、アガベマイト駆除には専用のダニ駆除剤を使用するのが最も効果的です!



アガベマイト対策にご活用ください!


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