こんにちは!今回は光飽和点について解説します!光飽和点とは、植物が光合成をする際に、 それ以上光を当てても光合成速度が上がらなくなる光の強さ のことを指します。簡単に言うと、「光が多すぎて、もうこれ以上吸収できません!」という限界点です。
ボタゾン思ったより成長が遅いなど悩みを抱えている場合は一度見直しが必要かもしれません。



この記事では、光飽和点の基本情報から見直し方まで詳しく解説します!




光飽和点とは?基本の意味を解説


植物は光を浴びて二酸化炭素を吸収し、酸素とエネルギー(糖)を作り出します。これが光合成です。しかし、光の量が増えれば増えるほど光合成がどんどん活発になるわけではありません。
一定の光の強さを超えると、それ以上光を増やしても光合成の速度は上がらず 頭打ち になります。この「これ以上光を強くしても意味がない」状態の光の強さを 光飽和点 と呼びます。
光飽和点が起こる理由


では、なぜ光飽和点があるのでしょうか?理由は主に以下の3つです。
① 葉緑体の処理能力の限界
植物の葉には 葉緑体 という光を吸収する器官があります。しかし、葉緑体には処理できる光の量に限界があります。それ以上光を浴びても、エネルギーを作る速度は上がりません。
② CO₂の供給が追いつかない
光合成には光だけでなく 二酸化炭素(CO₂) も必要です。しかし、空気中のCO₂の量は限られているため、光が増えてもそれに見合うCO₂がなければ光合成速度は上がりません。
③ 酸素の影響(光呼吸)
光が強くなりすぎると、逆に光合成を邪魔する「光呼吸」という現象が起こります。これは、光が強すぎると植物が誤って 酸素を取り込んでしまう 現象です。酸素を使うと光合成の効率が下がるため、光飽和点が発生します。
植物によって光飽和点は違う


すべての植物が同じ光飽和点を持っているわけではありません。環境によって異なります。
☀️ 光飽和点が高い植物(強い光を好む)
- トマト、ヒマワリ、稲 などの 日向の植物
- 強い光の下でも元気に育つ
- 光合成の能力が高い
🌿 光飽和点が低い植物(弱い光でも育つ)
- シダ植物、コケ、観葉植物 などの 日陰の植物
- 強い光には弱いが、少ない光でもしっかり光合成できる
- 直射日光に当たりすぎるとダメージを受けやすい
つまり、光飽和点が低い植物に強い光を当てると逆にストレスになる ため、育てる環境を考えることが大切です。
光飽和点を超えるとどうなる?(デメリット)


光飽和点を超えて光を浴びると、植物にとって悪影響があります。
❌ 葉焼け(光のダメージ)
強すぎる光を浴び続けると、葉がダメージを受け 茶色く枯れる ことがあります。これを「葉焼け」と呼びます。
❌ 無駄なエネルギー消費
光が多すぎても光合成の速度は変わらないため、植物にとっては 無駄な負担 になります。
❌ 水分の蒸発が増える
光が強すぎると葉からの水分の蒸発が増え、 乾燥してしまう ことがあります。
光飽和点を測る方法


正確な方法①:光合成速度を測定する(専用機器を使用)
🌿 プロ向けの方法(研究・農業用)
光飽和点を正確に測るには、「光合成測定装置」 を使います。
この装置を使うと、光の強さごとの光合成速度を測定でき、光飽和点を特定できます。
✅ 手順
- 植物に異なる強さの光を当てる(10,000ルクス→20,000ルクス→30,000ルクス…)
- 光合成速度を測定する(CO₂の吸収量を測る)
- 光合成速度が増えなくなった光の強さを記録する(このポイントが光飽和点!)
🔍 一般的な植物の光飽和点の目安(PPFD:光合成有効光量子束密度)
- 日陰の植物(観葉植物、シダなど):100~500 μmol/m²/s
- 日向の植物(トマト、ヒマワリなど):800~2000 μmol/m²/s
※ μmol/m²/s(マイクロモル毎平方メートル毎秒)は、光の強さを示す単位。
この方法は正確ですが、高価な機器が必要なので、家庭での測定には向きません。
🌟 機器を使わず、観察やスマホで手軽に調べる方法
目安の測定方法②:葉の色や成長の変化を観察する
- 植物を日向・半日陰・日陰に置いてみる
- 葉の色や成長のスピードをチェックする
- 光が足りない場合 → 葉が黄ばむ・ひょろひょろ伸びる(徒長する)
- 光が強すぎる場合 → 葉焼けする・葉が茶色く枯れる
- ちょうどいい場合 → 濃い緑色で元気に成長する
✅ この方法のポイント
- 葉が健康に育つ光の強さが光飽和点に近い
- 葉焼けするなら光が強すぎ、徒長するなら弱すぎる
目安の測定方法③:スマホの光量測定アプリを使う
🌞 「Lux(ルクス)」を測るだけでも目安になる!
スマホの無料アプリで「光量測定(Luxメーター)」をダウンロードすると、植物の置き場所の光の強さ を測定できます。
📌 一般的な植物の適切な光量の目安(ルクス)
- 日陰の植物(観葉植物):1,000~5,000ルクス
- 半日陰の植物(ベゴニア、シクラメンなど):5,000~15,000ルクス
- 日向の植物(トマト、ヒマワリなど):15,000~50,000ルクス
✅ 使い方
- スマホアプリで光の強さを測る
- 植物の状態と比較し、最適な場所を見つける
この方法なら、特別な機器がなくても 大まかな光飽和点の目安 を知ることができます!
植物ごとの光飽和点の違い(目安リスト)


☀️ 光飽和点が高い植物(強い光を好む)
- トマト、ヒマワリ、バラ、サボテン(20,000~50,000ルクス)
- 直射日光が当たる場所でも元気に育つ
- 光が足りないと徒長しやすい
🌿 光飽和点が低い植物(弱い光でも育つ)
- シダ植物、ポトス、アジアンタム、モンステラ(1,000~5,000ルクス)
- 明るい日陰や室内でも育ちやすい
- 強すぎる光に当たると葉焼けする
光飽和点を活かす植物の育て方


光飽和点を理解すると、植物をより健康に育てることができます。
✅ 日向を好む植物の育て方
- 日当たりの良い場所に置く(光が足りないと成長が悪くなる)
- 光合成を活かすためにCO₂を補う(換気をよくする)
✅ 日陰を好む植物の育て方
- 直射日光を避ける(葉焼け防止)
- レースカーテン越しの光が最適(やさしい光がちょうどいい)
ポイント:植物に合った光の量を意識することが重要!
Q&A:光飽和点についてよくある疑問


Q1. すべての植物は光飽和点を持っているの?
👉 はい、すべての植物に光飽和点があります! ただし、植物によってその値は違います。
Q2. 室内で育てる植物にも光飽和点は関係ある?
👉 もちろんです! 室内の観葉植物は光飽和点が低いものが多いため、強い直射日光は避けたほうがいいです。
Q3. 植物育成ライトを使う場合、光飽和点を超えないようにするには?
👉 植物に合った光の強さを選ぶことが大切! 調節できるライトを使い、光が強すぎないようにしましょう。
まとめ


光飽和点とは、植物が光合成できる光の限界点 のことです。それ以上光を強くしても効果はなく、むしろ害になることもあります。
ポイント!
✅ 光飽和点を超えると、葉焼けや乾燥の原因になる
✅ 植物によって光飽和点が違う(日向の植物は高く、日陰の植物は低い)
✅ 植物に合った光の量を意識して育てることが大切
植物を元気に育てるためには、 「どれくらい光が必要か?」を知ることがカギ になります。育てている植物に合った光の環境を整えて、健康に育てましょう! 🌱✨


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