モンステラの成長を楽しみにしていたのに、茎が細くてひょろひょろと頼りない姿になってしまった。。そんな経験ありませんか?
この状態は「徒長(とちょう)」と呼ばれ、見た目が悪いだけでなく、病気になってしまったりと植物にとってあまり良いことではありません。
では、なぜ徒長が起こるのか?どうすれば元気な姿に戻せるのか?詳しく解説していきます!

植物を育てているとあれ、ちょっといつもと違うな、調子悪いなって思うことがあると思います。その中で徒長についてお伝えします!
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モンステラの徒長とは?特徴と見分け方


まずは「徒長」の状態がどんなものか確認しましょう!
✅ 徒長の特徴
- 茎が細く、伸びすぎている
- 葉が小さく、間隔が広い
- 支えがないと倒れそう
- 濃い緑ではなく、薄い緑や黄色っぽい
このような状態になっていたら、徒長している可能性が高いです。
では、なぜこんなことが起こるのでしょうか?
モンステラが徒長する主な原因


モンステラが徒長するのには、いくつかの原因があります。
① 日光不足
モンステラはもともと熱帯の植物で、日光が大好き!
しかし、室内で育てていると日光が不足しがちです。
特に直射日光を避けすぎると、光合成がうまくできず、徒長の原因になります。
🔹チェックポイント
・部屋の奥に置いていないか?
・窓際でも直射日光を避けすぎていないか?
② 水の与えすぎ
水をたくさんあげることは一見良さそうですが、水分が多すぎると根が弱り、徒長しやすくなります。
特に冬場は水を吸う力が弱くなるため、頻繁な水やりは控えた方が良いです。
🔹チェックポイント
・土が乾く前に水をあげていないか?
・受け皿に水がたまっていないか?
③ 肥料のあげすぎ
肥料を多くあげすぎると、栄養が偏り、茎ばかり伸びてしまいます。
特に窒素(チッソ)を多く含む肥料は、茎を伸ばす作用があるので注意が必要です!
🔹チェックポイント
・窒素が多すぎる肥料を使っていないか?
・適切な頻度で肥料を与えているか?
④ 植え替え不足
鉢のサイズが小さすぎると、根が窮屈になり、うまく育ちません。
その結果、ひょろひょろとした成長になってしまいます。
🔹チェックポイント
・2年以上植え替えをしていない
・鉢の底から根が出てきている
もっと詳しく!徒長の化学的な原因とは


徒長は、植物の成長に必要な光・水・栄養・ホルモンのバランスが崩れることで起こります。
特に以下の要因が重要です。
① 光合成不足(光合成速度の低下)
モンステラが十分な光を受けないと、光合成による糖の生成量が減少し、植物は茎を細く伸ばすことで光を求めるようになります。
🔹 光合成の基本反応式


- 光合成の主要な指標は「光補償点」と「光飽和点」
- 光補償点(約20~50 µmol/m²/s):光合成によるCO₂吸収と呼吸によるCO₂放出が釣り合う光量
- 光飽和点(約200~500 µmol/m²/s):これ以上光を増やしても光合成速度が上がらない光量
徒長が起こる光量の目安
- 50 µmol/m²/s 以下(低光環境):光補償点を下回り、光合成が不足 → 徒長しやすい
- 200 µmol/m²/s 以上(理想的な光環境):光合成が活発に行われ、健康に育つ
② 植物ホルモンのバランス異常(オーキシンとサイトカイニン)
植物の成長は、**オーキシン(成長促進)とサイトカイニン(成長制御)**のバランスによって決まります。
日光不足の環境では、オーキシン(IAA: Indole-3-acetic acid)の濃度が相対的に高まり、茎の伸長が促進されるため、ひょろひょろに育ちます。
- オーキシンの作用
- 植物の先端で合成され、細胞の伸長を促進
- 日光が不足すると局所的に濃度が上昇し、異常な伸長を引き起こす
- サイトカイニンの作用
- 根で合成され、細胞分裂を促進し、葉の成長を促す
- 窒素が不足するとサイトカイニンの生成が減り、オーキシン優位になり徒長しやすくなる
徒長を防ぐホルモンバランスの目安
- オーキシン : サイトカイニン = 1:1 → バランスが良い成長
- オーキシンが過剰(2:1以上) → 徒長しやすい
③ 窒素(N)過多による成長異常
肥料に含まれる窒素(N)は、アミノ酸やタンパク質の合成に関与し、細胞の成長を促進します。
しかし、窒素が多すぎると茎や葉ばかりが成長し、細く伸びすぎることがあります。
窒素の過剰供給による影響
- 適正な窒素濃度(200~400 ppm) → 健康な成長
- 窒素過剰(500 ppm以上) → 葉の過剰成長・茎の異常な伸長(徒長)
④ 水分過多による根の酸素不足(嫌気性呼吸)
水を与えすぎると土壌中の酸素が不足し、根が十分に呼吸できなくなります。
その結果、エネルギー産生が効率の悪い**嫌気性呼吸(乳酸発酵)**に偏り、根が弱り、養分を適切に吸収できなくなります。
根の呼吸プロセス
- 好気性呼吸(酸素がある環境)


- 嫌気性呼吸(酸素が不足)


嫌気性呼吸ではエネルギー(ATP)の生成量が少なく、根の成長が鈍化 → 栄養吸収が悪化し、徒長しやすくなる
モンステラの徒長を防ぐ方法


徒長しないためには、以下のポイントを意識しましょう!
① 適度な日光を確保する
- カーテン越しの明るい窓際に置く
- レースカーテンで直射日光を和らげる
- 冬は植物育成ライトを活用するのもおすすめ!
② 水やりは「土が乾いてから」
- 指で土を触って乾いていたら水をあげる
- 受け皿に水がたまらないようにする
- 冬は水やりの頻度を減らす
③ 肥料は適量に!
- 春〜夏は月1回程度、薄めた液体肥料を使用
- 窒素が多すぎる肥料は避ける
④ 1〜2年に1回の植え替えをする
- 鉢が小さくなったら、ひと回り大きい鉢に植え替え
- 春〜夏に植え替えるのがベスト!
ひょろひょろのモンステラを元気にする方法


すでに徒長してしまった場合は、以下の方法で対処しましょう!
① 支柱を立ててサポート
- ひょろひょろの茎を支えるために支柱を立てて固定する
- 麻ひもやクリップで優しく結ぶ
② 剪定して形を整える
- 伸びすぎた部分はカットしてコンパクトにする
- 切った部分は水挿しや土に挿して増やすことも可能!
③ 置き場所を変える
- もっと日光が当たる場所に移動する
- 育成ライトを使うのもおすすめ
もっと詳しく!化学的に考える徒長の改善方法


① 光量を増やす(200~500 µmol/m²/s)
- 明るい窓辺に置く(東~南向き)
- 植物育成ライト(フルスペクトルLED)を使用
- 推奨照度:10000~20000ルクス
- 照射時間:8~12時間/日
② 水やりを最適化する
- 土の表面が完全に乾いてから水を与える(目安:週1回程度)
- 水を与えた後、受け皿の水は捨てる
- 鉢の底に排水性の良い軽石を入れる
③ 肥料の窒素(N)濃度を適正にする
- N-P-K比 10-10-10(均等なバランス)を使用
- 肥料濃度は 200~400 ppm(希釈倍率 1,000~2,000倍)
- 月1回程度の頻度で施肥
④ ホルモンバランスを整える
- オーキシンを抑えるために剪定を行う
- 先端を剪定するとオーキシン濃度が低下し、横方向の成長が促される
- サイトカイニンを増やすために根を健康に保つ
- 根の成長を促すために窒素バランスを適正にする
モンステラを元気に育てるためのコツ


最後に、モンステラを健康に育てるためのポイントをまとめました!
🌿 モンステラ育成のチェックリスト
✅ 明るい窓際で管理(直射日光は避ける)
✅ 水やりは土が乾いてから
✅ 肥料は適量を守る
✅ 1〜2年に1回は植え替えをする
✅ 支柱を使ってしっかり支える
このポイントを意識すれば、モンステラがひょろひょろになることを防ぎ、元気に育てることができます!
まとめ:モンステラの徒長はすぐに対策すればOK!


モンステラがひょろひょろになってしまうと不安になりますよね。。
でも、徒長の原因をしっかり理解し、適切な対策をすれば元気な姿に戻すことができます!
🌱 徒長を防ぐには?
👉 日光をしっかり当てる
👉 水のあげすぎを防ぐ
👉 肥料は適量にする
👉 鉢のサイズをチェックする
🌱 すでに徒長してしまったら?
👉 支柱を立てて支える
👉 剪定してバランスを整える
👉 置き場所を変えて環境を改善
モンステラはとても丈夫な植物なので、適切なケアをすればまた元気になります!
ぜひ、今回紹介した方法を試してみてくださいね✨


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