冬になると、庭の木や草花が次々と葉を落とし、
「枯れてしまったのでは?」と不安になることはありませんか。
でも実はそれ、多くの場合は植物が元気に生き残るための自然な行動です。
人がコートを着て寒さをしのぐように、植物も冬を乗り切るための準備をしています。
ボタゾンこの記事では、
なぜ冬に植物は葉を落とすのかという理由と、
ガーデニングで失敗しない冬越し対策を、分かりやすく解説します。


なぜ冬になると植物は葉を落とすのか?


結論から言うと、
寒さと乾燥から身を守るためです。
葉は「便利だけど負担が大きい器官」
葉は光合成を行う大切な場所ですが、同時に
- 水分を大量に失う
- 霜や冷気で傷みやすい
という弱点もあります。
冬は
- 気温が低い
- 土中の水が凍り、吸えなくなる
- 日照時間が短い
こうした条件が重なり、
葉をつけたままだと水不足で枯れてしまう危険が高くなります。
そのため、落葉樹は
「葉を落としてエネルギー消費を止める」
という選択をします。
冬は「出ていく水」と「入ってくる水」がつり合わない
植物の根は、
土壌温度が5℃以下になると吸水能力が急低下し、
0℃前後ではほぼ水を吸えなくなります。
一方、葉からの蒸散は
- 風がある
- 日が少しでも当たる
と完全には止まりません。
その結果、冬は
水は失われ続けるのに、補給できない状態になります。
霜と凍結が葉を直接傷つける
葉の細胞の約9割は水分です。
気温が−1〜−3℃になると葉の表面が凍り始め、
−5℃以下では細胞が破壊され、元に戻りません。
そのため霜に当たった葉は、
黒く変色して落葉します。
日照時間の短さも大きな要因
日本では冬至前後の日照時間は約9.5時間で、
夏より約5時間短くなります。
太陽高度も低いため、
冬の光合成量は夏の30〜40%以下に落ちることもあります。
だから植物は葉を落とす
冬の葉は、
- 水を大量に失う
- 水を吸えない
- 凍結で壊れやすい
- 光合成効率が低い
という、維持コストの高い器官になります。
葉を落として蒸散を止め、
休眠する方が、
植物にとっては合理的な生存戦略なのです。
落葉は「弱ったサイン」ではない


ここが、ガーデニングで一番誤解されやすいポイントです。
落葉=休眠=省エネモード
植物は冬になると、
- 成長を止める
- 光合成をほぼ行わない
- 根と幹だけで静かに生きる
という休眠状態に入ります。
これは衰えているのではなく、
春に備えて体力を温存している状態です。
冬に葉を落とす植物ほど、
春になると勢いよく芽吹くのはこのためです。
常緑樹が葉を落とさない理由


一方で、
ツバキ・サザンカ・ヒイラギなどは冬でも葉があります。
常緑樹の工夫
常緑樹の葉は
- 厚くて硬い
- 表面にロウ質の膜がある
- 水分が逃げにくい
という特徴があります。
つまり、
「葉を落とさなくても冬を耐えられる設計」
になっているのです。
ただし、常緑樹も
- 極端な寒さ
- 強風
- 水切れ
があると、葉を落とすことがあります。
冬に「枯れたように見える」植物の正体


ガーデニング中によくある悩みが、
「地上部が全部なくなった」ケースです。
実は生きていることが多い
- 宿根草
- 球根植物
- 多年草
これらは冬になると
地上部分が枯れて、地下だけで生きることがあります。
チューリップ、スノードロップ、フジバカマなどが代表例です。
掘り返さず、そのままにしておくことが重要です。
冬越し対策① 水やりは「減らす」が基本


冬の水やりは、やりすぎが最大の失敗原因です。
冬の水やりの基本
- 成長が止まるため、水の吸収量が減る
- 土が乾くのに時間がかかる
- 過湿=根腐れにつながる
鉢植えの場合は
- 土の表面がしっかり乾いてから
- 気温の高い昼間に
地植えの場合は、基本的に雨まかせで問題ありません。
冬越し対策② 防寒は「根」を守る


冬越しで一番大切なのは、根の保護です。
有効な防寒方法
- 株元に腐葉土やバークチップを敷く
- ワラや落ち葉で覆う
- 鉢植えは地面に直置きする



こうすることで、地温の急激な低下を防いだり、
霜柱による根の浮き上がりを防止できます。
葉よりも、まず根を守る意識が大切です。
冬越し対策③ 鉢植えは「置き場所」がすべて


鉢植えは地植えより寒さの影響を強く受けます。
冬の置き場所の考え方
- 北風が当たらない
- 霜が直接当たらない
- 日中は明るい
おすすめは
- 軒下
- ベランダの壁際
- 室内の明るい窓辺(寒さに弱い植物のみ)
暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。
冬に「やってはいけない」ガーデニング行動


善意でやってしまいがちなNG行動もあります。
冬のNG行動
- 元気がないから肥料を与える
- 枯れたと思って掘り返す
- 剪定しすぎる
- 暖かい室内に頻繁に移動させる



冬は
「何かする」より「余計なことをしない」
が正解になることが多い季節です。
冬の植物は「休んでいるだけ」


冬の庭は、どうしても寂しく見えます。
でもその静けさは、春への準備期間です。
- 葉を落とすのは生きるため
- 枯れたように見えても地下で生きている
- 冬越しは守りに徹する
この考え方を知っているだけで、
ガーデニングの失敗は大きく減ります。
まとめ|冬を理解するとガーデニングは楽になる


冬に植物が葉を落とすのは、
弱ったからではありません。
- 寒さと乾燥を避けるため
- エネルギーを温存するため
- 春に元気に芽吹くため



ガーデナーの役割は、
植物の代わりに「冬をどう耐えるか」を考えることです。



静かな冬の庭を見守りながら、
春の成長を楽しみに待つ。
それも、ガーデニングの大切な楽しみのひとつです。




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